日本中央競馬会に所属する厩舎従業員で組織する全国競馬労働組合の公式サイトです。(滋賀県栗東市)

運動方針

運動方針

第65回定期大会 運動方針の提起にあたって

 
はじめに
 
今定期大会は、全馬労にとって向こう2年間の運動方針を決める大切な大会であるとともに、2年に一度の新たな執行委員の改選の時期でもある。
 また、今大会は、「令和」という新たな時代の到来とともに、組合結成63年目に入った成熟した労働組合のあり方を考えるには、良い機会であり、しっかりとこれまでの組合の歴史を振り返るとともに、来たるべき未来に向けて、豊かな想像力と、競馬産業の未来と厩舎労働者の働き方の姿を見据え、新たな目標に向かって進んでいく契機としなければならない。

 昨今の時代の流れは早く、技術革新は猛スピードで、人と人とのコミュニケーションをアナログからデジタルに変え、「デジタルデバイド」といわれる格差を生じさせている。
 また、あふれるほどの情報は、何が正しくて、何が嘘なのかを見極める力「メディアリテラシー」が求められ、それらによる格差が、価値観の多様化を生むとともに、より多忙で複雑な社会を作り出し、「能力的格差」、「不寛容」、「監視」、「右傾化」等が顕著な社会となっている。
 また、政治・政治家の劣化は著しく、重ねて自民党「一強」と言われる政治の偏りは、官僚にとって「忖度」という技を使うことによって、自己保身が担保され生き延びる社会を作り、そのことは司法の世界までに及び、「忖度」により三権分立さえ崩壊の危機にある。
 結果として、そのツケは国民に回るのだが、その国民も政治や政治家への不信がピークに達し、それが、「あきらめ」という姿勢に変わり、無関心層を増加させた。そのことにより、投票率は低下し、より質の悪い政治家の誕生を生んでしまっているというスパイラルに落ち込んでしまっている。
 
 とはいえ、失望短絡している暇はなく、時間だけはしっかりと刻まれて行く中、働く仲間たちは今日も明日も、尻に鞭打って自己実現のために頑張っている。
 そのような状況の中で、働く側の要求として、我々の競馬社会も厩舎間競争の激化による余裕のない職場、それらの弊害としての、「不寛容な職場」の広がりによる「大仲機能の低下」、「パワハラ」の増大等々、尊厳が保たれず窮屈な社会となってきている。
 今後将来、私達が、プロフェッショナルとしての誇りとプライドを持ちながら働きがいを実感でき、仲間意識(支え合いと分かち合いの関係)を強めていくにはどうしたら良いか大いに議論するときに来ている。
 そのためにも、全馬労としての進路を明確にし、リーダーシップを発揮して行くことが重要である。
 ここに、向こう2年間の運動方針(案)を提案するが、大いに議論し、ともに歩いて行く道を確認しあってほしい。

以上

私たちを取り巻く環境

(1)政治情勢

  • 令和に改元して初めて行われる国政選挙となった参議院議員選挙。48.8%という過去最低に次ぐ投票率。結果は、自民党と公明党は、目標としていた改憲勢力3分の2は、確保できなかったが、改選議席の過半数議席を獲得して勝利。
    その中でも、野党共闘も一定の成果は挙げたが、山本太郎氏が結成した政治団体「れいわ新選組」の躍進が際立った。
  • トランプ大統領の一挙手一投足が世界を混乱させている。
     トランプ大統領によるアメリカファーストの外交は、米中、米朝、米韓、米露、日米、そして対イランと世界を混乱。日本はトランプ外交の最優良相手国として利用される。

(2)経済環境

  • 9月の観光への経済制裁で、日韓関係の悪化が深刻。観光など経済面にもマイナス影響が出始めている。
  • トランプ大統領の対中関税「第4弾」の発動表明で、米中の摩擦が一段と激しくなるとともに、世界経済の不透明感が強まっている。日本も影響大。
  • 10月より消費税10%がスタート。
     増税による消費の駆け込みも予定を大きく下回り、財布は硬い。また、軽減税率導入により混乱も。
  • 海外景気の低迷や消費税率10%への引き上げの影響などから一時的に景気が減速する局面を予測。

(3)社会保障環境

  • 厚労省によると、国民が医療にかけた費用の総額「国民医療費」は、2017年度は、前の年度に比べ、9,329億円増の43兆710億円で過去最高になった。このうち、65歳以上はおよそ26兆円と、全体の6割を占めている。
  • 「公的年金だけでは老後のお金は2000万円足りない」と、金融庁の審議会の報告書発表で、年金不信が強まる。政府は火消しに躍起。
  • 10月から幼児教育・保育料無償化がスタートも、国の関与は半年のみ。2020年度以降は各自治体が地方消費税増税分で対応。
  • 国民の4人に1人が65歳以上という超高齢社会に突入。高齢者介護・福祉のあり方が大きな課題に。

(4)労働環境

  • 働き方改革推進に伴う法整備。
  • 2018年末の在留外国人数は273万1093人で前年より16万9245人、6.6%増加して過去最高となり、人手不足を補う外国人労働者の支援対策が課題に。
  • 2019春闘、大手企業ではベア前年割れが相次ぐ。
  • 最低賃金が、10月から27円引き上げられ時給901円に。東京と神奈川で初めての1,000円超え。首都圏と地方の差は時給200円

(5)競馬環境

  • 馬券の売り上げ=7年連続増。2019年度予算も増。
  • 地方競馬も売り上げ好調をキープ。競馬連合としてこの機を「社会保険制度導入の好機」として全国で説明会実施。
  • 地方競馬では、外国人労働者の雇用が始まるが、課題も噴出。
  • 有給休暇5日、パワハラが法整備される。

大会宣言

 私たちは、本日、第65回定期大会において、向こう2年間の運動方針を決定し、新執行体制のもとで進んでいくことを確認した。
 とりわけ、執行体制では、榊原洋一委員長が第6代全馬労委員長に就任するという節目の大会でもあり、働く仲間の確かな未来を拓くため、新たなスタートを切った。
 また今回、退任となった第5代「京勇吉」委員長は、あの東日本大震災の年の第57回大会で委員長に就任し、今日までの4期8年は、社会的には震災復興という大きな課題を抱える中、厩舎現場では、平成10年から続いていた馬券の売り上げ低迷からの脱出が至上命題の中、競馬関係者が痛みを分かち合うことを合意し、12名体制の実施や新賃金体系の導入など、苦渋の決断で「厩舎制度改革」を受け入れ、競馬の復興に尽力してきた時代でもあった。お陰様で、馬券の売り上げは、京委員長を先頭に頑張ったすべての厩舎従業員の理解と協力もあり、ピーク時までは行かないが、前年比プラスを7年連続で現在も継続してきている。
 さらには、全国的に「廃止論」が渦巻く厳しい時代を乗り越え、この7年でインターネットの影響も大きいが、全国のすべての地方競馬場が、元気に復活し、再興を果たした。まさに、どん底からの復活の歴史だった。
 さて、時代は「令和」という元号に変わり、「新しい時代」を感じさせる雰囲気の中にあるが、将来的不安は大きい。
 それは、何と言っても世界に類を見ない人口減少・超高齢社会の到来である。
 この影響は、労働人口の減少につながり、人間に取って代わってロボットの活躍する場面も増えるだろうが、いずれにしても経済成長力は大きく低下する。その影響で、国民の経済的、精神的豊かさは低下し、当然のことながら、人口減少と経済の低迷は、社会保障制度の不安定と崩壊も招いてしまう。
 しかし、逃げていては何にも改善しないし、未来も見えてこない。まさに失望短絡している暇はなく、前を向いて対応していくしかない。
 それは、競馬の社会でも同様で、既に地方競馬では人員不足から外国人労働者を採用しているし、中央競馬においても、10年を待たずに多くの退職者が発生することがわかっており、そのことを危惧して、一昨年から採用年齢の撤廃や競馬学校の無償化など人員不足への対策を打ち出し、対応を始めた。ロボット化できない我々の産業の人手不足は、深刻な問題である。
 そのためにも、厩舎で働く仲間が、知恵を出し合い、支え合い、分かち合っていくという関係を再び構築していくと共に、共通の目標に向かって進んでいくことが重要である。
 全馬労は、本日の大会を契機として、新しいリーダーを先頭にスタートした。決して先行きは安閑とした時代ではないが、ともに助け合い、真剣かつ果敢に挑戦していくことで道は開けると信じて、組合員と共に歩いていくことをここに宣言する。

令和元年11月12日

全国競馬労働組合

基本的な考え方

 働く仲間の安定的な生活基盤の確保をめざし、賃金・休日・雇用対策を含めた基本的労働条件の確保への取り組み


  1. 春闘や労使協議会の機能を活かし、労働条件の維持・向上を基本として、健康的で働きがいのある安定的な職場環境の確保に努めます。
  2. 二重賃金体系を解消し、同一労働同一賃金をめざす取り組みの推進
  3. 有給休暇の5日以上の取得実現とヘルパー制度を含めた環境整備
  4. 調教助手職のライフサイクルに適応した人事制度の改善に取り組みます。
  5. 12名体制のリスクを定期的に検証し、労働条件の低下にならないよう職場環境の整備に努めます。
  6. 65歳定年制を基本とした雇用態勢を確保するとともに、パワハラやいじめを根絶し、働きやすい職場環境を目指します。
  7. 現行賃金体系のあり方を検証し、賃金体系の違いによる格差是正を目指します。
  8. 競馬の国際化に対応すべく、労働環境の改善・整備をはじめ、強い馬づくりの推進に努めます。
  9. 競馬の繁栄という見地に立ち、公正競馬の確保に努めます。
  10. 仕事と生活のバランスの確保を基本とした新しい働き方への研究を続けます。


 働く仲間の相互扶助の精神を基本に、自立支援制度の充実と会員福祉の充実への取り組み


  1. 経済的な福祉制度の充実の強化をはかるために労働金庫等との連携強化をはかり、更に進上金等への課税に対し、節税等の研究を続けます。
  2. 人的・社会的な福祉制度の充実のために地域社会や自治会との連携を図ります。
  3. 組合員のライフスタイルの多様化に伴い、年代別ならびに目的別のセミナーの実施や顧問の弁護士、税理士を活用した相談会の充実に努め支援します。
  4. ストレス社会に対応するために、組合員に対するメンタルヘルスケアへの対策を強化します。
  5. 組合員の福祉的ニーズに応えるために多様なソフトや施設の提供に努めます。
  6. 厩務員クラブ事業の効率的な運営に努力し、更なる会員福祉の充実を図ります。
  7. 相互扶助の精神を念頭におき、共済会のあり方について検証し、見直しをはじめ、存在価値の高い制度として改善します。


 組織の充実・強化のために執行部ならびに評議員会の強化と次世代リーダーの育成への取り組み


  1. 組織力強化のために執行部役員の資質の向上はもとより、職場リーダー(評議員)との連携をはかり、課題の共有と解決に努めます。
  2. 青年部・助手部の活動を通じ、女性も含めた次世代リーダーの発掘と育成に努めます。
  3. 新規採用者をはじめとした組合加入の促進を図るとともに、青年部・助手部の活動の支援を強化します。
  4. 支部との連携を図り情報の共有化と支援活動を強化します。
  5. さくら会(主婦会)の活動を支援し、効率的な活動の拡大をはかります。
  6. 共闘会議との関係を強化し、強固な連帯の下で競馬の発展を基本として、厩舎労働者の要求の実現に努めます。
  7. 上部団体との連帯を強化し、組織体制のレベルアップに努めます。
  8. 執行委員会の充実をはかり情報の共有化と問題解決の実行率を高め、議案の審議・決定を行います。.
  9. 専門部の整理統合を実施し、組織運営の効率化に努めます。
  10. 組合員減少に伴い組織財政の健全運用を基本とし、諸経費の削減と使途の明確化を図ります。
  11. 組合員の意思疎通を図るために厩舎会議等を開催し、意見の交換と苦情処理、要望集約を行いますます。


 勤労者の声を政治に反映させるため、連合方針を基軸とした各級選挙への取り組み


  1. 連合方針を基軸に政治情勢を見極め、支持政党ならびに支持候補者を選定し、支援活動ならびに要請活動を積極的に進めます。
  2. 連合滋賀第3区地域協議会との連携強化をはかり、異業種交流を高めるとともに、草津市や栗東市に対して行政懇談会の開催を促し、より一層の労働福祉の充実を求めます。
  3. 組織内議員との連携を強化し、行政への提言を行い、住みやすい環境作りを推し進めます。

            

powered by QHM 6.0.9 haik
based on PukiWiki 1.4.7 License is GPL. QHM

最新の更新 RSS  Valid XHTML 1.0 Transitional